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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2012年7月13日

昨日、夕日のうつくしい帰りのみちに、ヒグラシが一匹、

もうすぐやってくる夏よりほんのすこうし早く、呟きのような細い声を聞かせてくれたのでした。


途切れてしまいそうな、ちいさなちいさな旋律が、広大な緑の庭園に響いて、空がいつもより大きく見えました。

母校の美術大学にてお仕事をさせていただいているのですが、ちょうど夕日の美しいころ、帰宅の時刻。

そばには大きな庭園があって、背の高い樹林が広がり、まるで森です。

カナカナカナ・・・という愛らしい声、なんとも二年ぶりに聞きました。

パリでもミラノでも、蝉の声を聞かずに夏が過ぎ去ってゆきましたが、名のとおり、日が暮れてゆくドラマを語るように鳴くのですね。


ちいさな声は、日常に沢山溢れているように思います。

膨大な情報が溢れる現代において、声を大にして語られる力強い発言は、魅力的に感じることもありますが、

囁くような息吹の中から大切な声がするときは、素直に聞くことできたら、と思います。

それは、自分の中にある「思い込み」かもしれないことに気付くこと、かたくなに「思い込み」を通そうとしないこと、シンプルに聞くことだと思うのです。

むつかしいことではなくて、これが、とても面白いことだと感じています。


ミラノにいたときに、イタリア人のことを知りたくて、偏見や日本的な(日本では当たり前な)見方、これまでの経験で出来上がってしまった考え方を一度お休みさせて、

出来るかぎりシンプルに相手を見つめることを意識していたように思います。

経験から見つけた考えは、一度お休みさせたからといって、心から消え去ることは無い、限りのあるハードディスクとは違うものだと、帰国して二ヶ月とすこし経って感じております。



sense of wonderの世界、終わりの無い旅のよう、現実の世界に起きていることは、不思議なことばかりだわ。

美しいことも、悲しいことも、狭いかもしれない型に収めるように、見つめてしまってはいないかしら。

夏至の日が過ぎ去りました。どのような日々をお過ごしでしょうか。

Parisの皆様は音楽祭の夜ではないでしょうか。



カレンダー上の節目の点に対しては、長い旅の途中で空を見上げるきっかけのような場所、といつも感じております。

そのたびに、暦が作られてゆく過程(なんて長い歴史!)を想像して、ドキドキするものです。

古代から、空に描かれる物語と、ヒトの生活が密着していたことを思えば、自然と日の出と共に目が覚めてしまうもの・・・?

・・・そうはいかず、空の物語よりも私たちの生活には様々な事情が関わるので、日の出と共に「ほ・・・ほけきょ」と歌う鳥のようにはいかないわ。


とはいえ、この時期は大分早くに目がパチリと覚めてしまうのです、日の出よりすこうし遅れてしまうくらい。

日本の暦は何度か改正されているようです。いくつかの旧暦の行事等を調べてゆくこと、行事の成り立つまでのヒトの精神世界を知ること・・・

こういうロマンチックな旅をすることが出来ることへ、インターネットという素晴らしい仕組みに感謝するばかり。



むかしを想うことは、みらいを想うこと、今私が何処に立っているのかを、心の深いところで意識すること。

暗闇の中でいつでも見失ってしまうから、空の物語を聞かせてほしいのです。



車窓には、こいのぼりが優雅に空を泳ぐ風景が広がっていました、端午の節句。

快晴・・・よかった、今日は雨が降りませんでした。



帰国してから、時差ぼけのなか、あちらこちらへ人と会う日々が続いております。

まだ携帯電話が無く、外ではネットも出来ないという生活・・・(笑)、貴重なので愉しんでおります。

本日は一時帰国しているパリの友人に再会しました、可愛らしい赤ちゃんと共に・・・。

昨年の9月にパリへ遊びに行ったときは、まだママのお腹にいて、私が話しかけてお腹に触れると、元気に足で返事をしてくれたのだったわ。

今日は、私が微笑みかけたら、満面の笑顔で返事をしてくれました・・・何度も!こちらへの関心度がとても高くて(しかも優しい)、たぁんと、戯れました!

なんというコミュニケーション能力、お腹の中にいるときから備わっていたのでしょう。

そして環境・・・可愛らしい笑顔を見れば、こころにとって豊かな環境で育っていること(特に、両親の夫婦間の愛の形)は想像がつくもの。

この世界で、再会できた奇跡、本当に感謝。



さてほんの数週間前、ミラノにてひとつ歳を重ねました。

年齢を聞かれて、う~ん・・・と思い出すのに時間がかかることもありますが、今年は二十代最後ということで、忘れてしまうことも無いでしょう・・・笑。

様々な事が日々起きる中、地球の裏側の外国にて・・・無事に迎えることが出来たこと、本当に感謝でした。

イタリアでは誕生日の本人が、同僚にケーキやお菓子etc・・・を振舞います。

これまで、「おめでとう」の言葉、メッセージ、プレゼントを頂くばかりの誕生日を重ねてきましたが、自分が周りにふるまうこと・・・初体験でした。

日々の感謝の気持ちを、自分が生まれた日に伝えること・・・とてもシンプルでメッセージとして伝わりやすい風習だと思います。

・・・とはいえ、家族、友人からはメッセージや贈り物を頂き、改めて感謝する日となりました。

遠く離れたヒト達からのネットを通してのメッセージ・・・本当に嬉しいですね、ひとりひとりを想い描きながらの・・・なかなか寝付けない夜となりました。



ミラノの大切な友人達から頂いた、透き通るような美しいお花。



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静寂の朝、写真におさめておきました。

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