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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2011年10月25日

白い空気の、冬の香りのなか、いかがお過ごしでしょうか。

ミラノはすっかり凍えるような寒い日々が続いております。

快晴続きの旅を終えた後は、ずっと曇りor雨模様。


ベランダから見える、沢山の赤色の屋根には、

小さくて、とても古い煙突が沢山あって、

灰色に覆われた風景の中へ、

白い煙がもくもくと消えてゆきます。


archaic chimneys.


昔、美大生になって間もない夏休みに、友人と、

奥多摩の深い森の中へ、小さな小屋で数日間、

バーベキューをするでもなく、キャンプを楽しむでもなく、

自然の中で、どの様な創作が出来るのかを探しにゆく旅を

しました。

小屋の管理人さんからは、基本キャンプが目的の若者が集う日常で、

私たちの事を、とても不思議な目で見つめていた事を

よく覚えています。



その時の旅のタイトルが、

archaic chimneys.


いったいどういういきさつで、そう決まったのか、今では謎なのですが、

古い煙突にとても惹かれていたのでしょう。

ふと、ベランダで思い出して、少し可笑しくなったのでした。


緩やかに、白い煙の動く姿が、無意識に、温もりのある家の中の、

時の流れとリンクします。


人々が暮らしている、営みの風景。

どの様なドラマがあるのかしら、と、想像の海は深くなってゆくばかり。


どの様な風景や、香りや、メロディが、心を動かしますか。

人それぞれ異なると思うと、それだけでドキドキします。

言葉で表現出来るなら、聞いてみたいですね。

そういう会話は、深くなるほど面白いです。


独りでの思考が、ひとり旅のように自由に歩くことが出来るように、

会話も、誰かと旅をするようなもの。

独りでは辿り着けない、新しい世界に辿り着くことがあります。

特にヨーロッパに来てから、強くそう感じるようになりました。


心の深いところから豊かになってゆく旅。


そして、心が豊かになると、自然と右脳が動き出します。


昔読んだ、伊東豊雄氏の書籍の中で、

巨匠アアルトは、右脳が自ら動き出すのを待つために、

右の手にペンを持った時に、彼にとって左の手に持つべきもの、空間を流れるメロディが何なのか、

知っていたと書かれていました。

図面化されてゆく時に、左脳を動かす術もあったそう。


昨年、彼の自邸&彼の設計した住宅を見に行った時に、

素晴らしい空間が生まれる迄の、

心と脳の動きを想像してみました。


完成されたものの中から、原石を探すようなもの。


日々、心が豊かになるように。


お金をかけるような贅沢な事でなくてよいのです、

質素な暮らしの中で、優雅な時間を持つことが大切、と私は思います。

とても贅沢な事なのかもしれないけれど。

古い煙突ひとつから、心を豊かにしてゆくことは、

贅沢な事だと思うからです。


結局、感謝、という一言に戻ってゆくのですね。

様々な思考、想像の旅に出ても、戻ってゆく場所があるという事は、本当に大切ですね。


戻るべき場所へ戻って、心へ刻んでゆきたいと、

強く願います。

6月ももう終わり。あっという間ですね。


少しずつ、イタリアが好きになっている私。


先日、語学学校でミニテストがありました。筆記と会話。

午前中のstudioが長引いて遅刻をしたのだけれど、ざっくりと時間を個人的に延長してくれてなんとかなりました。

会話は、いつもの先生(女性)といくつかのテーマを選んで1対1で話をするというもの。

「あなたは、暇な時間に何をしますか?」というテーマがあって、基本的にこちらが一人で色々話します。

例えば、本を読みます、とか、テレビを見ます・・・というように、回答の範囲はとても広いので話しやすいですね。

ところで、イタリア人は「愛」について話すことが大好き。

そういうわけで、私は「暇な時間は、大好きなヒトのことを想ったり、愛について色々と考えるの。」と試しに(テストなのに)言ってみました。

そうしたら、先生のテンションは凄い勢いでヒートアップ。「ブラーボKANAKO!」「解るわ!どんな人なの?」「私もね、・・・・」

・・・もはやテストでもなんでもなくなってしまいました。生徒が一人で話すはずのテストが、ただのガールズトークになってしまいました。

先生の方が話していたかもしれないわ。私はそんなに話せないもの。

文法も、単語も、大分間違っていたように思うのだけれど、先生はそれなりの高得点をその場でつけていました。

♪鼻歌♪を歌いながら、♪ブラーボ♪ブラーボ♪と呟きながら「とってもよく話せているわね!」とのお言葉を頂き、テストは終了しました。


・・・イタリア人、好きだわ。



先日、ミラノから少し離れた街、ベネチアへ行ってきました。

今年はベネチアビエンナーレ+イタリア統一150周年の為、ベネチア以外でもビエンナーレに関わるイベントが様々な所で行われています。

パリに住んでいるMさん、フィレンツェに住んでいるUさんと、ミラノの私、同じ大学の出身という繋がりでベネチアで落ち合いました。


今回利用した宿について、少しだけ。http://www.hostelworld.com/hosteldetails.php/PLUS-Camping-Jolly/Venice/15562

私達の部屋は一晩一人当たり15ユーロととても低価格でありながら、環境も設備もスタッフの対応もよいところでしたのでお勧めです。

本島からバス+徒歩で、30分ほどで辿りつくことが出来ます。

barもミニマーケットもあって、とっても便利。


とっても安くて美味しいジェラート屋さんが少し歩いたところにある、ということが素敵なところ。

リモーネ味が大好きなのだけど、とても美味しくて3回もリモーネを食べてしまったわ。


高級なホテルを望んでいるなら話は別ですが、そうでなければお勧めです。

(スタッフの人と少し仲好くなって、ここを友人に紹介するわと約束したの。)


本島の観光地の雰囲気とはまるで反対の、小さな家々が立ち並ぶ、ゆったりとした静かな優しい雰囲気の町にあります。パリの郊外にも、このようなところがあったわ。




そういうわけで、本島の話ではなくて郊外のマイナーな話だけになってしまったけれど。笑。




ビエンナーレは、素晴らしい作品が多々ありました、言葉に出来ないほど。

是非行って確認してください。グランプリだったドイツ館は、本当に素晴らしかったです。




まだまだ、ビエンナーレは開催していますから^^














宿の敷地はとても広くて、大型キャンピングカーも沢山。


















作業中。














安藤建築の美術館。

















・・・いえいえ、嘘。まだパリにおります。笑。

寒いですよ、こちらは。

















日本より早い秋の香りのなか、さらにもっと先取りした冬の香りまで漂わせているフィンランドに行っていました。AlvarAaltoという建築家の設計した建物を見に行くために。すでに朽葉の香りのなか冷たい風が流れ、人々の温かそうなもこもこの服装は、秋の終盤さえ思わせるのです。私は特にこの季節が大好き。そういうひと、きっと多いのかしら。


面白いインテリアショップや美術館が溢れ、あっという間に時が過ぎてゆきました。 フィンランドのIITTALA社の素敵なガラスアートの空間では、振り返るとあまりにも美しい作品があり、思わず「あっ」と声を出してしまう。


今回も一人だったのですが、毎回素敵だなと感じるのは、ホステルでの出会いは思いもよらないほんの一瞬の素敵な時間を過ごせるという事。今までは外国人ばかりでしたが、今回は日本人の女性と出会いました。地球の歩き方のヘルシンキ部分を切り取ったものを譲ってくれたのですが、彼女も別の出会いで譲ってもらったものだそう。私は大抵スケジュールに余裕をつくってゆくので、半日ほど彼女とショッピングをしたり色々話したりして過ごしました。


何時間も話し続けても、こういう出会いってあまり連絡先を交換しないのです。そういう、一瞬の軽快な出会いと別れ、私は大好き。後に連絡したくても出来ないのです。どれほど御礼を言いたくなったとしても。そう、もうそういう想いは別の誰かに向けて・・もしくは神に向けて?という方法しか残されていないのですね。旅でのこういう出会いだけに限らず・・・2度と出会えないかもしれないということもあるということを、潔く受け入れていけたら素敵ね。気楽にアドレスを交換出来てしまう時代だからこそ。いつまでも引きずらない、追いかけない、執着しない。思考は深く、深く、どこまでも深く、しかし心は空を飛ぶように軽快に。



そんな雰囲気の空間に出会えたら素敵だわ、と思ってアアルトを訪ねました。まさに巨匠、+温かさが加わった、大変勉強になる住宅でした。またいつか訪れたい、フィンランド。

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