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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2012年4月19日

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昔、見たことのある風景。

あまりにも美しくて、泣きそうになったことを、よく憶えています。

スイスルガーノ湖。

少し前に、一緒に住んでいる牧師先生夫妻と、再び日帰りで行ってまいりました。



こちらはレマン湖の風景を記していますが、ルガーノ湖滞在でも同じ風景を見ていたのでした。

同じ場所で、同じ瞬間の風景に出会えることって、奇跡かもしれないわ・・・泣きたくなるほどに。


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さてミラノ。

ダヴィンチ先生のお姿も、もう何度拝見したことかしら。必ず立ち止まって見上げております。

うふふ空を見上げる瞬間でもあるのです。


そして始まりました、ミラノサローネ。このために、ミラノ滞在を1ヶ月伸ばしたのですが、今回で見るのは3回目。

巨大な展示施設のフィエラ会場では、見るべきものを絞り込み中(まだ行っていません)。


初めて行ったときは(3年前)、日本人の出品ブースをおさえつつ、とにかく全体を見て回ろうという無謀な行動に出て、疲れ果ててしまったことを思い出します。

それはパリに滞在していたときのこと・・・

パリ→ミラノ間は、空路で1時間弱という、私の日本での実家(横浜の山のほう・・・)から、都内に行くのにかかる時間とそれほど変わらない・・・笑、というほどの身近な関係。

パリに住んでいた私は、これは行かないわけにはいかない!と数ヶ月も前からミラノ行きを計画していたのでした。

その旅はそのまま、とても大好きな建築家、小説家のゆかりの地であるスイスへ流れてゆくことは、本当に自然なことだったように思います。


旅には様々な形があると思います。

計画性のある旅、無いふわりと彷徨う旅etc・・・

スイスに関しては、きっちり計画して行ったのです。見たい建築・美術館が沢山あって、細かくスケジュールを組んでいました。

ところが、この年にアイスランドで巨大な噴火が起きて、飛行機が空から消えてしまい、列車も満席の大混乱が起きたのですね。

ミラノチェントラーレ駅でスイスのホテルに電話して、どうしたらホテルに辿りつけるのかを、慣れない外国での旅で必死に聞いておりました・・・笑。

券売機は突然多くの人が使用したせいか、故障したものばかりで、切符もまともに手に入らない状態でした。

チェントラーレでの思い出は、今でこそ沢山ありますが、この時ほど強烈なものは無いかもしれません・・・笑。

始まりから計画が狂ってしまったので、えいや!と成り行き任せの旅に変更したのでした。



予期せぬ事態・・・



毎日の何気ない生活が、長い長い旅の途中なら、いつでも予期せぬ事態に遭遇するでしょう。

物理的に起きることもそうだけれど、心の中に起きることもそう。

自分自身の在りようを、ある程度イメージして型を決めてしまっては、柔軟に対応できないわ。

個性やキャラクターは後からついてくるものだと思う。

明日にでも、ほんとう、泣きそうなほどの美しい風景、物語、心・・・と出会うかもしれません。



柔らかい心で、素直に涙を流すことは、すてきなことだと、思うのです。


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(今回のルガーノはモランディの展覧会を見に行くためでした)








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こちら、毎日必ず行くバルのおじさん。


スタジオのヒト達と5,6人、多いときは10人程で一緒に行って、大体誰が何を頼むか、このおじさんは把握しているのですが、

テキパキと、あっという間に全員分、美味しいエスプレッソを入れてくれます。

それで、私は、おじさんがマシーンでエスプレッソを作る様子を、じっと観察しておりました。

小さな小さなコーヒーカップは、大柄なイタリア人の手の中にいますと、さらに小さく可愛らしく感じます。

すばやく専用の機械にコーヒーの粉を入れます。直径3~4センチ、深さ1センチほど、底がプツプツと穴がある丸い入れ物に入れます。(モカで作るときもおんなじ)

じっと見ていて気が付いたのですが、粉を入れたら、ギュッと強く上から蓋のような物で押し付けていました。

周りのイタリア人に聞いたのですが、この、ギュッっと強く押して圧力をかけることが重要なんですって。

瞬間的に、シューッっと沸騰したお湯が、この粉の入れ物を通って、濃いコーヒーが出来上がるので、粉の量と入れ方が味と風味を左右するのですって。

出来上がったものを、小さなカップに入れて、ソーサーの上にスプーンと共に置きます。

1杯ずつ同じことを繰り返しますが、おじさん、本当に早い!

手を動かしながら、口も動かしております。お客様には必ず「チャオ!」、顔見知りには「チャオ、カーラ!」+その他のお喋り。

新たな注文も同時に聞くので耳も働いています。



いつも思うのですが、こういう、職人技の動きって、凄いなぁと感心してしまいます。

話は飛びますが、以前、部屋の大きな窓ガラスが強風で派手に割れてしまって、ガラス屋さんが直しに来ました。

2人の大柄なイタリア人でしたが、事前に窓枠の大きさとガラスの厚みは伝えてあったものの、

2mほどあるガラスを、狭いところで、あっという間に窓枠に設置して直していました。

(切ったり、貼ったり、色々としていました)

そばで見ていた私と大家さんは、ただただ、本当に凄い・・・と感心するばかり。



日本で設計のお仕事をしていたときも、図面化された内容を、実際に組み立ててゆく現場の人たちを見ていて、本当に素晴らしいわと、いつも思っておりました。

壁を塗るヒト、壁紙を貼るヒト、カーペットを切るヒト・・・限られた時間の中で、1ミリのミスも許されない世界。

大抵、図面と実際の建屋寸法には誤差があるので、それも上手に美しく対応することも求められます。


パリやミラノのメトロの大きな広告、たまに張り替えている現場に遭遇しますが、インテリアほどの美しさは求められないものの、職人さんはあっさりと素早く張り替えます。

パリのメトロは、壁が曲面の駅もあり、とてもむつかしそう。

私はすっかり時間を忘れて、じっと観察してしまうことがよくありました。



家のそばの庭の木を刈る庭師、引越し業者の素早い梱包技etc・・・



絵画や彫刻のように、いつまでもずっと残ってゆくものではなくて、常に消費されてゆくもの・・・

当たり前のように、日常の中で何気なく通り過ぎてゆくところに、心を動かす素晴らしい職人技が生き生きと沢山あって、

日常の営みに寄り添っています。

ふと現場に出会いますと、いつも尊敬して見つめてしまいます。


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そんなことをぼんやり思い出していたら、おじさんの美味しそうなマッキアートの出来上がり☆

自宅でモカでエスプレッソを入れるときは、粉を入れたらギュッと押すようにしてみました。



教えていただいた、小さな、素敵なこと。

  • 2012年2月7日

Nel paesaggio bianco ,

il corvo è più bello del solito.

Mi affascinava particolarmente.

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白いお話のはじまり。


心待ちにしておりました・・・大好きな街が白に包まれる時を。



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いつも何気なくお喋りしているヒトが、ふと沈黙する時のよう。

沈黙の理由はわからないけれど、心の中に温かくてあまい香りが流れているかもしれないし、悲しいことがあって、静かに涙を流しているのかもしれません。


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見ることのできない心の中の不思議な世界を、深く想像することの出来る白い風景。


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沢山のお願い、望みを捨てて、与えられている事全てに感謝して旅をすることが出来たら。

まだ見たことのない美しい世界と出会うことが出来るかもしれませんね。


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