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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2010年12月16日

今日はとても寒い日でしたね。やっと、12月らしくなってきた、というところでしょうか。

懐かしき母校のある杉並へ。なんとも下町ふうの風が香る東高円寺駅。うーん、個人的に、1年生時の懐かしい面影が漂う道なのです。

今日は大変有難い賞を頂き、その授賞式でした。図書館も学食も全て大きく変わってしまっていてとまどってしまいました。

こんなに寒い日、恩師A氏は、ご自分の重要な講演会がある中、学校まで足を運んでくださいました。

ほんの数十分話しただけですが、いつものように、暗がりの中の向こうに、ぽっ、と光をともしてくださって、私は心を開いてそこへ向かってゆこうとすることが出来る、とても有意義な時間を過ごしたのでした。筑波大学で研究をされているY氏や、パリやその他多くの場所で活躍されているK氏と出会えたこともとても有難いのです。

K氏の活動とても興味深いのでご紹介。大学で助教授をされていたので、ご存知の方も多いと思いますが。(現在は大学院の非常勤講師をされています)

以下サイト&ワークショップ案内文引用。

「『路地裏ダンス branch/vein 企画』は、 ダンサーに限らず 様々なバックグラウンドを持つ人達と街(路地裏)に繰り出し、その場その時におけるカラダのあり様や現象を観察記録し、『場』や『身体』が持つ可能性について探求しようとしています。 今回の茶話会では、4月からの記録(映像・写真 etc.) をもとにして、オープンなディスカッションを御来場いただいた皆さんと楽しみながら、内容を深めたいと思います。

 なお、この企画は、 2008年にスタートした『路地裏ダンス』(ダンスカフェ企画・RAFT主催)の「branch=分枝/vein=脈筋」として発信し、2011年も 継続実施していきます。 この企画を進めるにあたり、路地裏探求部(路地探)を設立しました。多くの方々の参加をお待ちしています。


1月10日 18時半~ 主催、問い合わせ NPO法人 らふと


ヒトの内側にあるものを表現してゆくこと、そのプロセスには常に、繊細なこころの動きとその環境との関係性に、敏感に反応して考察することの繰り返しのように思います。

今日話題にもなった、意識のある時の、無意識さ。多くの分野で研究され、語られていることですね。自分の意思で考えて行動しているようで、根付いた環境の価値観の中で無意識に発している言動の、その裏にある真実など、常に目に見えないものに耳をすます事が出来たら。異文化に触れるって、そういうことなのかも。

そうして、あたたかく沈黙して、ぽっ、とこころに光をともすことができるかも。

窓の外からは美しい水の音がさぁさぁと響いております。本日はミラノでご活躍されているU先生のメッセージを聞きに新井薬師前駅にある教会へ。久々のお元気そうなU氏との再会に感謝です。


こちらの駅、初めて降り立ちました。古い小さな店や商店街と住宅街がひしめく下町風情、懐かしい香りが漂っておりました。こういうところって、こじんまりとした美味しいお店が生き生きとしているのですよね。本日は時間がなくて行けなかったけれど、新井山梅照院薬王寺という駅の名の由来になっている場所があるのですね。東京を歩くときに、寺院や神社、お稲荷様等を意識して歩くことはとても面白いという事をむか~し学生時、恩師に教えてもらったものです。以前モンマルトルの丘を歩きながら、渋谷の円山町、松濤付近を想ったこともありました。渋谷の丘にはひっそりと、お稲荷様がいるのですね、高級住宅地とラブホテル街の狭間の隅に。これは卒業制作の為と歩きまわった地域で、神話の世界が紛れ込んでいる風景にドキリとしたものです。アースダイバーという中沢新一氏の本を勧められたのもその頃だったわぁ・・・その本の内容は、日本の神々のことと東京の土地の歴史との繋がりなどが書かれていたわぁと、ぼんやり思い出しつつ教会へ向かっておりました・・・


・・・日本人って、面白いわね。

深い海の底で様々なことが複雑に繋がっていることを、無意識に知っているのかしら。

奈良井宿という小さな宿場町の世界への憧れは、すでに三回ほど訪れているにもかかわらず、

今でも色褪せることなく私の胸中に、静かな炎のように佇んでいる。



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パリで出会った牧師先生、T御夫妻の家を訪ねて長野県松本市へ行って参りました。陽だまりのようにいつも暖かく接して下さるお二人にお会いできること、アルプスの連なる大自然の中に溶けてゆく事ができること、先生のメッセージを聞くことができるということで、帰国したら直ぐに行きたい場所でした。常に男らしく、偏らず話を受け止めてくれるRyさんとともに。

新宿からバスで3時間ほどで着いてしまう、都心からそう遠くないところでした。今回は観光というよりT御夫妻に会いにゆくことが目的で・・・、そういえば、近々の旅行で観光だけを目的にした旅ってあったかしら?とにかく、そういうわけで、T御夫妻の家(教会)で全てお世話になってしまいました・・・。

バス休憩のサービスエリア、山梨あたりからひんやりと澄んだ秋の空気になり、松本に着くと寒いなぁ、少し薄着かも・・・と都心との温度差を感じるのでした。

駅から車で教会まで移動する途中に松本城のまわりをくるりと一周してその御姿を拝見、小さな家々が連なる小道を抜けるときには、赤や黄色の実をつけた木々が日本の秋を感じさせてくれるのでした。都会を思わせる松本駅周辺とはうらはらに、教会は優しい緑の平原の先に小さく建っていました。この平原、T御夫妻の愛犬くろちゃんが毎日げんきいっぱいに走り回る場所なのです。T御夫妻家には、わたしたちが一晩過ごすための部屋が用意されていました。本に囲まれた素敵な部屋で、二人とも、わぁ~、と感激。

家の中には、T御夫妻のむかしむかしから、最近のパリ教会まで、じっくり歴史を感じさせるほどの写真で溢れていました。カメラの型そのものの古さ、被写体のポーズのとり方の現代との違い(雰囲気)などなど、写真には様々な要素から歴史を感じる事が出来るのですね。


ダイダラボッチ。ご存知ですか。この日T御夫妻は私たちをアルプス公園という大きな公園へ連れて行って下さいました。雄大な山々を見渡せる素敵な場所です。

展望台のある建物には、小さな御土産屋さんがあり、「デーラボッチ」と書かれた山の巨人のマスコットが売っていました。私は「デイダラボッチ」とちょっと異なる音で頭の隅にいたのですが、多分映画「もののけ姫」に出てきたという事で知っていたのでしょう。調べてみると、漢字で「大太郎法師」、日本の都市伝説や神話の中の巨人のようです。反対の意味にあたるのは「一寸法師」なんですって。美しくも恐ろしくもある自然の中に、「なにか、いる」という曖昧な感覚とともに現れる日本の神々や妖怪。おとなしかったり、優しかったりするものもありますね。どうやらこのアルプス公園の御土産屋のマスコットデーラボッチは、おっとりと優しい気質らしいです。妙に可愛らしくてついつい、妹へプレゼントで買ってしまいました。巨人をここまでキュートに仕上げる事が出来るのは、日本人の独特な感性のように思います。


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T夫人の美味しい手料理を頂いたり、愛犬のくろちゃんと遊んだり、あっという間に時は過ぎ去りました。翌午前中は礼拝の時で、T牧師のメッセージを聞くことが出来ました。


この日は前日よりも冷え込み、持参して水に濡れたタオルも一晩経っても乾かない様子。礼拝前に、外にいるくろちゃんに触れると、ぽかぽかとしたぬくもりを感じたので、彼の周辺には陽の光が十分に注いでいるのね、と思い、くろちゃんの繋がれている梅の木にタオルをほしておきました。それなのに私はすっかりその事を忘れて、タオルを梅の木に忘れて帰ってきてしまったのです・・・。たまにこういうことあるので、気をつけなければ 笑。



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T御夫妻には本当に感謝。そして旅の始まりからずっと、Rさんありがとう。


最後に・・・

大学のゼミで訪れてからずっとその風景が心にひっそりと映し出されている場所、奈良井宿について。

恩師の知人もいるこの小さな宿場町は、江戸時代、江戸と京の都を結ぶ重要な街道であった中山道、その69の宿場のうち木曽には11の宿がありその2番目に位置する通りです。

松本駅から列車で約1時間弱、日帰りでも行く事が出来ます。以前は恩師、ゼミ仲間と、歴史ある宿に数泊かけてゆっくりと、奥深い世界観に入り込んでゆく過ごし方をしました。今回は泊まらずに東京へ戻りましたが、数時間過ごすだけでも、豊かな歴史の風景が何かを語りかけてくるような、こちらが何かを受け止めて、何かについて考える心の状態へ導かれる様な場所でした。京都、奈良や金沢のような観光地の雰囲気とは大きく異なり、多くを含んでいないのです。ひっそりと、ちいさく息づいている、突如現れる一瞬の風景。



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日が暮れれば黒い大きな山の影に包まれた闇の世界。

奈良井駅が可愛らしく小さく輝いていました。また来ます。

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