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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2010年1月10日

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先日、パリに雪が降りました。昨年にも降りましたが、基本的にあまりパリには雪は降らないとのこと。どうも今回の冬は、少し珍しいほどに雪が降っているようです。写真は朝、学校へ行くときに家の前の道を撮ったもの。8時半過ぎているというのに、まだ薄暗く、夜のかおりがほんのり。寝ぼけてぼんやり扉を開いたら、雪景色が目の前にぱっと広がっていて、慌ててカメラをパチリ。朝は時間に余裕がないのです。

朝方の薄暗い時間帯や、夕方日が沈む時間帯のパリは、本当に綺麗。オレンジの光が深いブルーの空の色につつまれて、古い建物のシルエットがどこまでもつづく・・・、夕方に散歩をするのはとても気持ちがよいのです。しかし、最近はそうも言っていられないほどの寒さ。指先や、ほおの感覚がなくなってしまうほどの、マイナス?℃の中をぶらり歩くのは、少し辛い・・・。

これほど寒い中、「今日は雪がきっと降るよ。美しい公園を散歩しながら、雪が降るのを待ってみたらどう?きっと、雪景色はとても綺麗だよ。」と、一瞬冗談を言っているように聞こえるセリフを、大真面目に話すのは学校の先生、D氏。ロマンチックな世界は好きですが、さすがに芯まで冷える寒さの中、いつ降りだすかわからない雪を待つほど、ロマンチックにはなれません・・・。

D氏は丁寧で親切な先生なのです。授業を通して感じるのは、どうやらD氏にとって「親切な、優しい、思いやりのある」(=フランス語で”ジョンティ”)行いはとてもとても重要な様子。常に、口にする言葉、態度、行いが「ジョンティ」かどうか、ということを意識しているように感じるのです。生徒の飲み終わったコーヒーの紙カップを、さっそうとゴミ箱に捨てている様は、名付けて”やりすぎジョンティ”・・・笑。

また語学学校の先生という職業柄、さまざまな”国民性”を知りつくす中、どうやら日本人は「とてーもジョンティな国」と理解しているようで、ジョンティさが重要なD氏にとって日本は興味深い国。「となりのトトロ」も好きなようで、トトロを知らない生徒に一生懸命トトロを説明していました。”トトロというのは、とても大きな動物で、大きな口で大声を出す、子供たちの隣の森に住んでいる・・・”というように、大体のイメージを説明しながら、トトロは大きな怪物のような格好をしているよ、と伝えたかった様子。しかし、最後は「メ、イレトレジョンティ。」・・・以上。(笑)

(メ、は「しかし」、イレ、は「彼は」)。

最近とても興味深かったのは、お相撲さんの「まげ」を生徒に説明するときに、「トレジョリ」(とても美しい)と言っていたこと。一度じっくり眺めてみようかしら(笑)。・・・という具合に、ネタの尽きない先生を中心として、クラスの生徒同士の仲もとても良くなってきた様子。

昨日は、イタリアへ帰国する生徒を囲んでのお別れ会があり、あたたかい人達との危ういフランス語の会話を楽しみました。スペイン語圏の人たちは、アルコォルが増えるにつれ、フランス語からスペイン語へくるくると変化し、そこに興味を持った私はスペイン語を教えてもらう始末、語学学校の仲間どおしの会話というのは、はたから聞いたらとても可笑しいのでしょう。しかし普段(日本人どおしで)使っている頭(こころ?)とは違う、新しく生まれた感覚で伝えようとしていたり、理解しようとしたり、日本を感じようとしたりしているのです。伝わった時のささやかな喜びや愉しみに夢中になりながらの会話はクリエイティブそのもの。あっという間に真夜中。イタリアへ帰国の彼も満足の様子で、満面の笑みを浮かべてのさようなら、が、とても心に残る夜でした。

明けましておめでとうございます。 ものごころついてからというもの、毎年元旦は近所の神社へ初詣に行き、破魔矢を焼くのが恒例でした。 悩んだ挙句、パリで過ごすことにしましたが、初詣に行かないと年を越した感覚があまりないのです。 友人と、パリではなく8時間前の日本時間ですでに年を越したような気分になって、 無自覚のうちに時間を持ち去られてしまったような、不思議な感覚。 半ば傍観するようにパリのカウントダウンを散歩しました。 ひっそり過ごすいつもの年越しとは打って変わり、パリのお祭り騒ぎ、楽しかったです。

昨年の7月はまだ会社に勤務していたことを思うと、ずいぶん昔のことのように感じてしまう・・。 出会いや別れを含めた環境の変化にともなって、メンタル面での整理をするのにいっぱいいっぱいだったように思います。 今年はもう少し(抱負として?)、ふわりと受け止めたり、かわしたり、してゆけたらなぁと思います。 こんな感じ、がどうして生まれるのでしょう、 こんな感じ、とは、何? こんな感じ、を再現する方法は?と、ついついむきになりすぎないように、 目の前の林檎を描こうと林檎を睨むのではなくて、まわりの空気を柔らかく見つめるほうが、 空間とより親しんで絵を描くことが出来るように。 そして、ふいに強く心を惹きつけられてしまう場所に沢山出会えますように。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  • 2009年12月26日

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家のすぐそばに、とても素敵なブランジュリがあります。

家から歩いて1分程度。日曜も、昨日のノエルもあいていました。

毎日、通りかかるたびに綺麗で可愛らしいお菓子を見つめずにはいられません。

たたずまいは横尾忠則氏の絵のようなY字路にあって、手前は小さな丸い広場になっています。

日曜の朝など、どこもかしこもお店は閉まってしまう中で、元気に行列が出来ています。

おかげで、日曜も困ることなく、おいしいパンをいただくことが出来ます。お店のエネルギーも。

特にお気に入りは、「Meringues」という真っ白いお菓子。日本にいるころ、知人がとても好きだと言っていて教えてくれました。

彼女同様わたしも虜になりつつあるこのお菓子は、雪のようにさらさらと軽くて、

卵白を焼き上げるだけのシンプルなものだそう。

卵黄のみを使うお菓子のときに余った卵白を使うそうで、だいたいどこのブランジュリーでも出会うことが出来ます。

とりあえず気になるお店では大体購入。とてもあまーいので、ほかに甘いものはもういらなくなります 笑。

日本の高級な白い落雁の「くすだま」(「二人静」という商品名だったかな?)というお菓子をご存知でしょうか、

どこか雰囲気が似ているように思います。

真っ白で、口に入れるとやわらかく溶ける優しい雰囲気が・・・。

この「くすだま」が、ほんとーーに大好物で、日本から大量に持ってきました 笑。。 

1cm満たないまんまるい落雁で、表面はとても美しい「張り」があって小さいけれど存在感の強いお菓子。

色々な形をした可愛らしい落雁も沢山ありますが、私はこれが一番。真っ白が一番。あぁ、少し京都が恋しくなります。

白い話といえば、もうひとつ、私の家に白い猫ちゃんがいます。

私は大家さん宅の間借りで、細い廊下で大家さん宅と繋がっています。

入口(鍵)やキッチン、トイレやシャワーなどは全て私個人用で、

基本的には一人暮らしと変わらないのだけど、猫ちゃんだけは自由にどちらの家も出入りできるのです。

この猫ちゃんがほんとーーに、おでぶ。このでぶねこちゃん、おでぶすぎて大丈夫だろうか・・と少し心配。

おでぶなのであまり大胆な行動(高いところへひょいとジャンプする猫らしい、しなやかな動きなど・・)

があまり格好よく出来ないし、

お腹がかゆくても咽の下のお肉がじゃまをして、なかなか舌が届かない・・・と一生懸命体勢を変えてペロペロ・・・。

本当に微笑ましくて可愛らしいのです。どれだけ見ていても飽きない・・・。

この体型を見ていると、「耳をすませば」のムーンをふと思い出します。「満月みたいだろ?」という天沢聖司のセリフ。

確かに、満月のようにも見えるのです。とくにうっすらベージュが混じった白ネコちゃんだからでしょうか。

でぶねこちゃんを、月に例えるなんて素敵。物事をどんな風に感じて、どうとらえるか、どう表現するかは本当に重要。

プラス思考だとかマイナス思考だとかそういうことではなくて。

ついにノエルが過ぎ、うんと冷え込む年の終りが近づいてまいりました。

一年の締めくくりをすべく、食べたり、飲んだり、食べたり、飲んだりし

ながらの忘年会が沢山行われていると思います。

体をこわさないように気をつけなければ。皆様も気をつけてくださいね。そして良い年をお迎えくださいませ。


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