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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2011年7月11日

接触の悪い、もしくは少し古くなった蛍光灯が、小刻みにピカリピカリと光ること、ありますよね。

それが巨大な状態で夜の空の雲の上にあるような感じ、昨夜はそういう空でした。

雷って、少し間をあけて「あ、また光った!」と驚いた後に、ドーンという音が聞こえてくるイメージが強いのだけれど、

昨夜のミラノの空の雷は、常に光っていました。それもとても大きな電流がピッカピッカしています。



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激写・・・といっても撮るのは簡単なのです。

2秒に一度はこのように光輝いているので。


与えられた大きな空を見ることが出来る部屋で、夜空を見上げない日はありません。

雷雲が去ると、いつもの穏やかな星空が現れました。大気もひんやりと心地よい涼しい夜でした。



大きく荒れた波が、もとの静かな海へ返ってゆくイメージと重なるわ。



7月11日。あっという間に、大きな津波の起きた日から4ヶ月経ちました。

ミラノでの生活は、静かに空を見上げているとき以外は、とても慌ただしく、色々な事を吸収するのに精一杯ですね。

ミラノにいなくてもそうだと思いますが。周りにいる素晴らしい人々が救いの手を差し伸べてくださるので、私は元気にしております。

きっと今日は、日本中で黙祷が行われたことでしょう。忘れないためです。私達は、無意識に大切な事を忘れてゆくから。

亡くなった方々を想うと同時に、今生きている大切な人々を想うことも、自然に起こる心の動きです。

私は何か大切な事を、忘れていないかしら、という何気ない問いへのヒントは、大切な人を想うと、ふと降りてきたりしますね。

そういう時間はとても大切だと思います。5分でも、10分でも。



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これは、向かいの建物の屋根の様子です。

だいたい夜の20時過ぎに、このように屋根に数百羽もいるのではないかというほどの、小鳥の集団、夕方のお散歩。

ほぼ毎日このように同じ屋根に集まるの。ここが好きなのね。

ヒトが設計した、ヒトの為の屋根の形が、彼らにとって憩いの場所になっているのです。面白いわね。

小さな事なのだけれど、何かに対する大きなヒントの様な気がしてたまらないの。それが何なのか、今は分からないのだけれど。




明日も、新しい朝が、美しくありますように。

笑うしかないわ。この状況。



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朝からずっと快晴でも、突然大きな嵐がやってくる事はミラノではよくあること。大粒の雹(あられ?)も降ってきます。

ほんの数センチ窓を開けていただけなのに、野球の球でも飛んできたような割れ方・・・。

強風によって物凄い勢いで窓が閉まったのです、そうしたらこのように割れたのです。お見事。

よくドラえもんでそういうシーンありましたね。怒る相手が野球少年ではなくて、風では・・・笑うしかありませんね。


・・・Brava! Italia.



先日、ついに底なしの胃袋を持ったイタリア人と出会いました。

日本人の友人A君が紹介してくれた、日本語を学びたいイタリア人女性Pさんとその彼。

Pさんはとても可愛らしくて優しい雰囲気の、素敵なイタリア人です。

このイタリア人カップル、二人して日本が大好き。今年の年越しは日本で過ごす予定らしいわ。

そして、そのPさんの彼の胃袋が、底なしなのですね。大柄だけれど、太っているわけではなく、がっちりした体格の人。

その体型とはうらはらに、静かな声で穏やかに話すので、私はなんとか言葉を聞きとることが出来ました。


スターバックスの無いイタリアには珍しい、カフェアメリカーノのお店で言葉の交換をした後、ローマ料理のレストランへ行きました。


・前菜(サービスだったかしら)・・・バケット、それなりの量の生ハムとチーズ(多分Parmigiano)  ※日本の居酒屋のお通しの量と比べてはいけません。

・プリモ・・・日本のカプリチョーザで出てくるくらいのしっかりした量(分かりますか?)のローマ風パスタを4種類+サラダを皆でシェア+ワイン、ビール、バケット。


       ・・・この時点で、私はもう満腹です。バケットを沢山食べながら、パスタもしっかり食べる風景・・・炭水化物ばっかり。笑。

         当たり前のようにセコンドを頼むとは思っていませんでした。

         ちなみに、Pの彼は日本のカプリチョーザはいいね!と言っていました。量が?


・セコンド(Pの彼とA君のみオーダー)・・・肉料理、これがメインです。とても一人では食べきれなさそうな大きさのお肉+沢山のおイモ。+ワイン、ビール、バケット。

・ドルチェ・・・Pの彼とA君はフォンダンショコラ、私はレモンのシャーベット。Pさんは・・・忘れてしまいました。


もう私は限界でした。でもふと気がつくと、Pの彼はフルーツを知らない間にオーダーしていました。


・フルーツ(Pの彼のみオーダー)・・・パイナップルほぼそのまま、まるごとひとつ。


・・・・ありえないわ。


そしてさらに、

・カフェエスプレッソ

・お店のサービスで、食後酒(ローマ風のあま~い蒸留酒)


Pの彼は、全てにおいて上品に、いつの間にかペロリと食べて+飲んでいました。でも終始、穏やかに何かを話していました。

どうやって両立していたのかしら。これがイタリア人というわけね。

やっとレストランを出る頃には大分夜も更けていました。とても楽しい夜、私はとても大満足だったけれど、歩くのがやっと、というくらいの満腹状態。

夜の涼しい風が気持ちいいわ、今夜はゆっくり眠れそう、なんて思っていたら、Pの彼がひとこと・・・



「ジェラート食べに行こう!」



・・・・絶対に無理。



イタリアのジェラートは、一番小さなサイズでも、とっても山盛りなのです。ハーゲンダッツのカップなどを想像してはいけません。

でもそのPの彼が、とても興味深いなぞなぞを話してくれたので、どうしても謎解きをしたかった私は、そのまま一緒にジェラート屋さんへ。

もちろん私はジェラートをオーダーすることなく、ひたすらなぞなぞの答えについて話していました。


大量に食べて、大量にアルコールを飲んでも、全く顔色を変えることなく、あっさりと車で自宅付近まで送ってくれました。

この、何の変化も見られないあたりが、底なしの胃袋を思わせるのです。まだまだいくらでも入りそうな雰囲気。

少しは「あ~食べた食べた!お腹いっぱい!」という状態になってもよいのに。

このようなイタリア人、決して珍しくはないのでしょう、今後とも沢山出会うかもしれないわ、楽しみね。


・・・Bravo! Italiano.


今回入ったレストランは、有名なお店だったみたいです。名前を忘れてしまったのだけれど、場所は憶えているので、行きたい方は声をかけて下さいませ。

とても美味しかったです。ローマ料理を食べたのは初めてだったのですが、本当に美味しいですね。


いつか行ってみたい、ローマ。



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お店の名前が分かりそうだけれど・・良く見えないわ。

そして何故か大会議室のようなテーブル席で食べた私達。

写真には、向かいに座っていたイタリア人グループが映っています。

あのおでぶすぎる猫、スムーキーが、大空を飛ぶ姿を想像してみて。

・・・とてもではないけれど、想像出来ないわ。だっておでぶなんだもの。

椅子に登るだけなのに、大きな体が重すぎて、う~ん!と頑張ってジャンプしているのだもの。

空なんて飛べるはずがない。



でも彼の魂は、重い体から飛び出して、青い空の彼方へ飛んでゆきました。



スムーキーは私がparisで間借りをしていたT家の猫で、約1年近く、毎日私の部屋に入ってくる生活が続いていました。

まさか間借りをする子が、ここまで飼い猫になつくとは、T家の皆さまも驚きだったのではないかというほどに、多くの時間を一緒に過ごしました。

異国の地で生活することは、とても楽しい半面、寂しい時もあるものです。私にとって彼は、寂しさから解放させてくれる、温かい存在でした。


T家のMちゃんから連絡が来たのは、今日からちょうど一週間前のこと。

その日は、ミラノは朝から快晴だったのだけど、夕方に突然、大きな強い嵐がやってきました。

雨が止むと、二重の大きな虹が架かっていて、とても嬉しかったので写真を撮って、それを取り込もうとPCを開いたら、彼の死を告げるメールが来ていました。


すぐに受け入れることが出来なかったので、虹のある七色の空を求めてベランダに出たら、

少し離れた向かいのマンションの家の猫が、偶然にもベランダに出てじっとこちらを見ていました。

吸い込まれるように見つめてしまったわ。その瞬間まで、向かいに猫が住んでいるなんて知らなかったから。

不思議な出会いってあるのね。



T家のMちゃんは彼が亡くなってすぐに、私にメールをくれました。

彼女は日本語を勉強中というのもあって、ひらがなだけの、たどたどしい言葉で、想いを伝えてくれました。

子供のようなシンプルな表現は、こちらの胸に深く響きました。

T家、そしてMちゃんにとって彼は、かけがえのない、大きな愛の形をした存在だったことは、誰が見ても一目瞭然。

彼の写真を持っていたら送ってほしい、と彼女は書いていて、私は毎日のように撮っていたので、色々な表情の写真を送ることが出来ました。

全てこの時の為に撮ったのではないかしらと思えるほど、写真の力強さを実感しました。



とても静かで、とてもとても優しい、とてもとてもとても・・・おでぶな猫でした。



出会った時点で、いつかそういう日が来ることは解っていることで、

それは人間関係でも同じこと、全てはうつろう永遠ではないもの(この世界では)、と受け入れて理解しようとすることは、強く生きてゆく為にとても大切。

いつでも、どのような時も、そういう白と黒のはっきりした答えのある、例えば左脳を使うような考え方は、

曖昧な灰色の心や感情の世界にとって、明確な光を照らすような存在だと思っています。

そしてそれは、心の世界を深く考えたうえで成り立たなければ・・・、強すぎる光は繊細なものを壊してしまうこともあることに、気付かなければならないとも思っています。


ありのままをよく観察して、そこからあらゆることを想像することが、優しい柔らかい光なのではないかしらと思うのです。

そういう色々なことを、不思議なほどに、動物は教えてくれます。本や、ネットにはない神秘的な秘密を教えてくれるのですよね。



空飛ぶスムーキーを想像してみる。難易度が高すぎる。

せいぜい、柔らかい白い雲が、彼のお腹に似ている気もするけれど、少し無理があるわね。



あと数ヶ月後に、私はparisに行く予定を立てていたのよ。

会いたい人達がいるから行くのだけれど、でも私はあなたに一番会いたかったの、スムーキー。

あぁ、もう少しだけ、待っていてくれたらよかったのに。もう一度、抱きしめたかった。




・・・・・と、結局は、自分勝手な、人間らしい想いを抱いてしまうのだけれど。



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