top of page
sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。
  • 2011年5月8日

東の空、夕焼けに染まっていた大きな雲が、とても遠くで美しく浮かんでいたので、じっと見つめていたら、

あっという間に夜の闇の中に消えてゆきました。

正確に言うと、日が沈んだので、オレンジ色が消えて、周りの空の色の青に同化しただけで、雲自体はずっとそこに浮かんでいました。

かすかにその姿を見ることが出来たので、さらにじっと見つめていたら、

それは入道雲の様な形で、雲の中で雷が起きていて、稲妻がピカリと光っていました。幾度も、黄色く光り輝いていました。

あまり風の無い空気で、雲はじっとそのまま、そこに浮かんでいました。

その下には、ドゥオモがかすかに見えて、おんなじ、黄色い光によってライトアップされた姿が浮かび上がっていました。


さらに雲を見つめていると、だんだんと雲は形を崩して、分裂してゆきました。

ひとつの大きな塊だった入道雲の様な雲は、ちぎれちぎれに散ってゆき、ミニ入道雲みたいなものがぷかぷかと浮かんでゆきました。

そうして、そのひとつひとつの小さな雲の中で、小さな稲妻がピカリピカリ、光を放っていました。

それぞれは、どんどん離れていって、気がつくと全て完全に、夜の闇の中に姿を消してしまって、雲の姿は全く見えなくなりました。



ポワンと、夕陽を浴びて美しく浮かび上がった雲の中で、ピカリと冷たく稲妻が走っている。

さっきまであったものが、もうそこには無い。



解らない事が沢山あって、秘密を知りたい謎が常に新しく生まれてゆくから、

私には、それが明日を生きるひとつの理由となってゆくのです。



大切な知人のU牧師先生が、ミラノを離れて少しの間、にっぽんへ、被災地へ入ることとなりました。

現実に起きている事を、目で見て、あるがままを冷静に見つめることをしなければ、知識やヒトの噂からはきっと、何も解らないのでしょう。

観察記をつけるようなもの。

私的感情を一切切り捨てた状態。

そうして、あるがままを受け入れることが、とてもむつかしいのですね、きっと。


どうか先生の無事が守られますように。先生の目的が無事に果たされますように。




・・・ところで、雲を見だすと何時間も止まらなくなる癖は、いつか治る時が来るのかしら?

  • 2011年5月6日

まだ若い、10歳くらいの可愛らしいイタリア人の女の子が、自分の求める「赤色」の油絵具を探す旅、をしていました。

同じ日に3か所、別の画材屋で、彼女と偶然出会ったのです。たった一本の絵具のチューブを持って、その「赤」と同じ「赤」を探しているのだけれど、同じ銘柄は何処にもなく、全く同じ色が見つからないみたい。店員さんを巻き込み、ふたを開けて、店中の赤をまじまじと見つめるのだけれど、う~ん、違う!の繰り返し。同じく、私も自分に合う画材屋を探す旅に出ている途中で、時が重なったのね。


さすがに3つめのお店の時は、お互いに気がついて、


「あなたは探し物、みつかった?」

と、言葉を交わしました。



お互いに、「ノン」。



こじんまりとした、優しい雰囲気の沢山の画材に囲まれながら、

「本物を見つけるのって、難しいわね」

と、軽い溜め息をついて少し笑いました。




それぞれ目的が異なるので、また新しい場所へと、それぞれの旅は続いてゆきました。



・・・その後。


私はstudioの近くに、ちょうどよい画材屋を見つけました。店員のおじさまがとても良い雰囲気の、良心的なお店!

とても大きなキャンバスも、値段の条件なしに、無料で自宅まで送ってくださるという・・・!素晴らしいです。感謝。



あの子は見つかったかしら、お気に入りの「赤」。

いいえ、身内の話ではなくて(祖母もとても素敵だけれど)。

今日は、大学の大・大先輩T先生にお会いしたのです。年齢から言えば80歳の半ば、人生の大先輩でもあります。

パリも然り、ミラノにも先輩方が何人もいらっしゃり、今回はプライベートで来ているわけではないのでお会いする機会が多いのです。

皆さま私の母親よりも年上の方々ですが、とても元気に活躍されているのです。

でも今日は特別・私がミラノ入りした事を歓迎して下さる為、大・大先輩のT先生がわざわざ、素敵なお店にいらっしゃって下さったのです。


とっても素敵なおばあさま。話をしてゆくにつれて、私は先生の魅力にドキドキしてゆくのです。

雰囲気も、身形も大変素敵で、例えるならば、う~ん分かり易く言うと映画「タイタニック」の冒頭、最後に出てくるおばあさま(ローズ)。(伝わるかしら)。

話し方や性格も(大胆不敵で、女性らしい)、どことなく似ているように感じました。年齢を感じさせない発言。

現役で活動されていて、ええ、ローマで最近も色々とやってね・・・、と微笑んで言うのでした。

イタリアに50年以上(イタリアは今年で統一150周年を考えれば、その3分の1以上を知っているのですね)、日本の美大を卒業して、芸術家として過ごしてきたのです。


50年以上も昔に、好奇心旺盛な若い女性(きっととても可愛らしい)が、船で日本を飛び出して30日以上をかけて、世界の多くの国に降り、小さな旅をいくつもして、そしてイタリアの地に辿り着いたのですね。

「タクシーで、それぞれ降りたった国をまわったわ、でもお金はほとんど持っていなかったの。」


私が学生のとき、大好きな教授(恩師)に対してはしつこく研究室を訪れては想いの限りを表現したけれど、

「?」な教授に対しては、あからさまに納得がいかないとう反骨の精神をそのまま表現したものでしたが、T先生の時代は、学生全員で授業をボイコット(ストライキ・デモetc)、

映画館のはしごをしたあとは、夜の街で似顔絵を描くアルバイトをしていたのだそう。ええ、不思議な衣装をまとった女性ばかりの世界ですね(今でも不思議な衣装の学生は多いですが)。周りの目も(典型的な男性の目も)、全く気にしない、現代でこそ自由なふるまいは普通だけれど、当時の女子大としては大変珍しい集団(笑)だったのでしょう。



深い森の中で、昔どこかで会ったことのあるような、不思議なおばあさんと出会った気分。力強い風を吹かせながらも、静かなたたずまいで突如現れたのでした。

おばあさんの周りには、奇妙な草や木が生い茂っていて、何故かとっても濃厚なエスプレッソ3人分の量を、一息でゴクリと飲み干すのです。

森の奥はどのような世界が続いているのか、未知なる世界なので、いつでも不安になるのだけれど、さまよい迷っているとふと、こういう出会いがあるのですね。

それはひとつのヒント、目印、道しるべ? 灯りかもしれないし、誘惑や罠かもしれませんね。いつでもその瞬間の、自分自身を映し、試される時なのだと思います。


マキネッタをやっと本日手に入れたので、美味しいエスプレッソを頂くことができるのですが、おばあさまのように、3人分ひといきでゴクリ、はまだまだ無理だわ。

名称未設定のアートワーク 32_edited.png
Category
Archive

Copyright ©️ kanacotakahashi.com All Rights Reserved

  • Instagram
  • YouTube
bottom of page