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sense of wonder
不思議さを感じることのできる、こころの不思議。
その謎を探るような日々の足あとを綴ります。

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8月半ば、スイスを再び訪れていました。

静かで、古い香りと新しい風を美しく兼ね備え、壮大な大自然に囲まれたスイスの空気が大好き。

スイスへはパリから列車で簡単に入れるので、気軽に行けることも嬉しい。

また、この国には奥深く美しい建築がひっそりとぽつぽつあって、もっと長い間滞在したい国なのですが、

今回は2泊3日という短期間でした。

ミラノ在住の友人MSちゃんがスイスへ旅をする、ということを聞いていて、

数回しか会ったことのない彼女に会って話をしたかった、というのがきっかけ。

そして前回の旅は冬期間という事で閉まっていたテルメヴァルスという温泉へ行きたいという想いがあったので、

一緒に温泉に行きましょうと誘ってみました。


MSちゃんは非常に謙虚でつつましく、yuriparkにてニットを創る仕事をしています。


こちら、MSちゃんが帰り際別れるときに手渡してくれた手紙。

素敵な贈り物。

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ひとりで旅をするということと、誰かと旅をするということ、私にとってどちらも大切なこと。

しかしながら、この二つ、本当に何もかもが大きく異なるのです。旅で目にするものも、想うことも。

ふと思い出すのは、創世記をU先生から学んだ中で、「ヒトは関係性を持ったものとして創られている」という部分。

どうしても何かと関わりをもたずにはいられないのは、生きてゆくためだけの最低限の衣・食・住とともに、

わたしたちの心の中にも潜んでいるものです。

これに対しては、何故?と思ったり、そうかしら?と感じるようなことではなくて、絶対的なもののように想います。

内側にあるものは、いつでも外側と繋がろうとするのではないかしら。

どこへでも世界中を泳ぐ事ができるインターネットの世界はそれを象徴しているように感じます。

そして、こちらテルメヴァルス、スイス出身ピーターズントー氏の建築も、内側と外側の不思議な関係性。


山の奥に、大地と共存するように建てられています。半分は山に埋まっています。



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内側と外側の境界線(構造体など空間そのもの、ヒトとヒト、ヒトとモノ・・etc)を、

どこまでも極限まで曖昧にしてひとつにしてゆこうという、軽快で透明感があり、明るい建築に人が集まる一方で、

私たちは内と外のコントラストの強い空間の、緊張感のある閉鎖的な部分に惹かれてゆくこともあるでしょう。

そういう空間を住宅として表現している建築家は多くいますが、ここは温泉。

はじめはこの緊張感のある空間に、温泉という機能が詰まっている事に驚いたのですが、

実際はとても落ち着く空間でした。

外の大自然の壮大な力とのバランスを取る事が出来るのは、緊張感のある空間だから、なのかしら。

スイス記へ戻るのですが、今回は少しフランスの地へ足を伸ばした時の話です。

パリから行くよりも、スイスのバーゼルから行く方が遥かに近い場所、ロンシャンRonchampという場所へ行きました。

バーゼルはフランスとドイツとの国境で、どちらの国へも簡単に入国出来ます。


バーゼル駅からフランスへの列車が発着するホームへ。

Belfortという駅まで列車で行き、そこからRonchamp駅までの列車に乗っていきます。

Ronchampまでの列車は1日に数本ととても本数が少ないので注意しなければいけません。

タクシーを使うと70~90ユーロほど往復でかかるという話を聞いていたので朝早めに出て列車を使うことに・・・


・・・と書くと、私が列車を使って行ったようですが、この日フランスのSNCFの一部がストライキだったのです。

あぁ、おフランス。知ったのはBelfort駅にて。それまでのスイス鉄道の快適ぶりに慣れてきていたので、久々のフランスらしさ(ストライキ)に驚いてしまいました。

バスも出ているという情報を聞いたことがあったので駅の人や通りかかるバスの運転手に尋ねても「そのエリアは担当してないので知らない。」の答えしか返ってきません。・・・あぁ、おフランス。


車で片道40分ほどの場所へ、往復タクシーで70~90ユーロは高いと思いませんか。

(運転手によって変わってくるということ自体、不思議です。)

今回は乗車時に、75ユーロと言われました。

せめて50ユーロで済ませたかった私は、

「往復50ユーロにしてください。帰りの足りない分は降りて歩いて帰りますから。」という条件にしてもらいました。

少し距離はありそうですが、タクシーの窓から見える街の風景が優しい雰囲気だったので、歩いて帰れると思ったのです・・・。

しかしながら結局、帰りも駅まで運んでくれました。往復50ユーロにて。

運転手さんが親切だったのか、それくらいが妥当な値段だったのか解りませんが。。

とくに値切ったわけではありません 笑。


こちら、ロンシャンの礼拝堂 ル・コルビュジェ設計

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目を閉じても内部に溢れる光を感じました。ここはもともと巡礼地です。

設計者が住宅で極めた設計手法とは全く異なるのは当然のように思う。

つまり、完璧主義の極みを通り越したところにある、

なにか田舎の道の優しい暖かい雰囲気のようなものを醸し出す香りがするのです。

普段教会で感じる静かな緊張感はありませんでした。

  • 2010年5月27日

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以前の日記に記した、レマン湖の側にル・コルビュジェが建てた家に行ってきました。

スイスの南、ローザンヌ(Lausanne)から列車に乗ってヴェヴェイ(vevey)という駅で降りで、

徒歩15分ほど(バスも出ています)。

私が訪れた時にはすでに、二人ほど見学に来ていました。

ここは、月曜と水曜に夏のみ、公開しているそうです。

以下、入口のアナウンス。訪れる方、気をつけてくださいね。

行ったのに、開いてなかった・・・という人が結構いるそうです。

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しかしながらこの二人、よくよく見ると、この家の図面をアウトプットした紙を広げ、まるで仕事の現調でもするかのように、

テキパキと寸法を測っているではありませんか・・・。

家のすみずみまで細かく測っては、図面に書き込むという作業を淡々と繰り返しており、

スケールすら持ってきていなかった私は、少々反省してしまいました。実際に測らなければ、設計者の意図は解らないのです。

多分、仕事の一環で模型を作るか、3Dを立ち上げるのでしょう。

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現調するふたり



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この家は、敷地が決まる前に設計は終了していました。

しかしながら、このレマン湖という場所が設計者の頭の片隅に、かけらもなかったとは考えられません。

横に長く広がる窓の比率と、その向こうに広がる湖とアルプスの景色とを、

同時に思い描いて計算したとしか思えないほどに、完璧に調和していたのです。


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名称未設定のアートワーク 32_edited.png
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