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大都市軸

























パリに来て、だいぶ経つというのに、やっと・・・やっと、

カラヴァンアートを見に行きました。それも、後輩がきっかけをつくってくれた。

先週、大学の後輩が訪ねてきたのです。私が当時学生だった頃から、今でも大変お世話になっている教授を通し知り合った子で、会うのは初めてでしたが、初めて会ったとは思えないほどすぐに打ち解けるのでした。

彼女はもうすぐ卒業で、卒業制作が終了したばかり。「賞」とか、その時代の流行の建築があるなかで、ひたすら自分らしい作品を作ろうと必死なところや、価値観がはっきりしていて少し反骨精神があるあたり、学生だった当時の自分自身が重なるのでした。妙に似ていることや、同じ教授をとても慕っているという点ですぐに打ち解け、カラヴァンに会いに郊外へ出ました。


Cergy Pontoiseにある、彫刻家ダニ・カラヴァン Dani Karavanの「 大都市軸Axe majeur 」

「セーヌ川の支流オワーズ川の丘上に築かれた新都市である。そして、その丘の上の塔を起点とする強い軸線は、

坂を下って、12本の列柱を通り抜け、池に向かって階段を下り、パリを指している(凱旋門~シャンゼリゼ軸)。」


一つの建築物を創造する時、この作品ほどの広大なスケール感を念頭に置いて創られる空間って、どれほどあるのかしら。

この軸は、どうやらイギリスのStonehengeまで指すそう。これは、アースアートだから出来ること・・・と言えばそうだと思うけれど、普通に生活している中での建築や広場も、「ちょっと敷地の周辺」じゃなくて、これくらいのスケールをプランに入れているなら、風景も変わっていきそう・・・そんな風に感じました。

いたってシンプルな造形物が12のキーワードをもとに表現されているのですが、本当に広大なスケールでのアートです。地球芸術。私たちはいまそういうところに立ってるんだね~とかいいながら、後輩と寒い中スケッチしたりしました。(本当に寒い!)良かったのは、観光地化していなくてほとんど人がいないということです。自然に、いる、という感じ。様々な名所は(エッフェル塔とか)、観光地として人が集まっていることがほとんどで(キーホルダーとか売っていたり)、本来の姿の2割くらいしか感じられないように思います。もっと、自然に人がいる風景の中でみたら、どんな感じだろうといつも思います。そういう意味で、ちょっとマイナーな建築めぐりなどはふらり・・・と人がいたりして、ちょうどいいと思います。

今回もそのように、ジョギングする人、犬を散歩する人、手を繋いでデートする人・・・など、ごく日常の人の姿とともに空間を体感する事が出来て、自然界の音も綺麗に聞こえ、二人とも大満足。長い軸を歩くたび自然とともに表情を変えてゆく・・・心に刻まれる表情も変わっていきました。グリーン(自然の緑)と、白と、朱とブルー(空と、河)の絶妙な色のバランスもとても素敵でした。戻るころにはとても長い時間が流れていたような感覚になり、遠く離れたパリを感じることもできるので、時空を超えるような場所なのです。

いずれは、カラヴァンの多くの作品があるイスラエルへ、教授も無理やり(?)連れてきて、行きたいと思いました。






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