イヴァノボのおばちゃまのところのハチミツが美味しすぎて、
朝、目が覚めてすぐに頂くと、とても幸せな気分になるのです。
こんなの、初めて。
と、いきなりよくわからない呟きでごめんなさい。
普通旅行記と言うのは旅の順を追うように記すのが多いのかもしれないけれど、
私は書きたい事(忘れたくない事?)から記しています。
首都ソフィアの事はとりあえず置いておいて・・・笑。
ブルガリア・イヴァノボという小さな村へ行ってきました。
ルーマニアとの国境(ドナウ沿い)RUSEという街の側にあって、
岩窟教会がユネスコに登録されている・・・という以外、何もないところでした。
駅に止まる列車も1日に数本。宿も駅の側にたった1件(ミニマーケット併設・・・他に店があまりない)。
ここは一人のおばちゃまが経営しており、部屋は3部屋ほど、
というよりおばちゃまの家の1室を借りるような雰囲気(部屋の鍵なんて無いんですもの・・・。)、
親戚の家でくつろぐような安堵感。
入口はホビット族が住んでいそうな可愛らしい雰囲気で、お部屋もとても素敵でした。
この宿の情報は、ソフィアでのホステルに置いてあったガイドブックから入手したので予約はしていませんでしたが
(宿、あってよかった!)
・・・おばちゃまは笑顔で迎えてくれました。
宿泊客、私たちのみ。アジア人がとても珍しいらしく、村の人々がわらわらと寄ってきて見ていました・・・。
おばちゃまは英語が全く通じず(boy,girlなども通じません)、
ブルガリア語のYes「ダ」と、No「ネ」とジェスチャーのみでの会話、それでも温和な空気が流れていました。
初めは夕食を断った私たち(カフェでも探すつもりでした)。
しかしながら、部屋でおしゃべりをしていると、
なにやらとても美味しそうな香りがほんの~り(扉あけっぱなし)・・・おばちゃまの夕食の時間です。
香りに誘われ・・・キッチンへ行くと、おばちゃまはもぐもぐ食事中。そして同じ夕食を食べたい・・・というような事を伝えると、
「ディネ、ダ?ダ?ダッッ??」(ディナー、イエス?イエス?イエス??)とキラキラした目でおばちゃまが確認してくるので、
「ダ!」と、私。するとなぜか、「ついておいで」と私を下のミニマーケットへ連れてゆきました。
おばちゃまはニコニコ、沢山のソーセージをさして、何か言っているのです。
あぁ、ここで夕食を買ったらいいわよ、と言っているのかしら・・・おばちゃまと同じ夕飯が食べたいということは伝わっていなかったのね・・・と思っていたところ、
レジの若い女の子が「チョイス、チョイス」と言っています。
そう、ここで買った食材を使っておばちゃまが料理するから選んで、と言っていたらしいのです・・・。
そんなシステム、初めて!笑。そういうわけで、moと一緒にソーセージといくつかの野菜を選んでおばちゃまに託しました。
思いがけず、ブルガリアの家庭料理を頂くことになった私たち。
夕食を頂いていると、おばちゃまが「おいで」と言っているので側に寄ると、
そこにはおばちゃまの作ったレースや服がありました。
おばちゃまはアーティストでもあったのです・・・。
そして近所の養蜂場でとれたハチミツもここにありました。
始め、何が入っているのかよくわからなかったハチミツの瓶(白い個体で濁ったピュアなハチミツだったので)、
おばちゃまは頭のあたりを人差し指でぐるぐる円を描きながら、
「ブォーン!!ブォーン!!」と力強く言って、何かを表現・・・・ミツバチのことだったのだけれど(笑!)、
私たち二人はなんなのかさっぱり分からず、ぽかんと?マークを目で訴えるのみ。結局本物のハチミツを取りだしてきて試食をさせてくれました・・・。
今回の旅は、言葉が全く通じない世界がこれほど面白いなんて・・・と思う事がしばしばありました。
もちろん、色々と大変なのだけれど、ジェスチャーの文化?の違いってとっても面白い。
私はそのハチミツを購入(3.5ユーロほど)、moはおばちゃまお手製のポンチョも購入。
おばちゃまは次の日、moを連れて外を歩いていたとき、
近所の人に「私のポンチョを買ってくれた子なの!」と嬉しそうに言っていたそうです。
あぁ、元気で幸せなおばちゃまの宿に巡り合えたこと、本当に感謝です。
そして毎朝、ハチミツを頂くときにおばちゃまがふと頭をよぎって・・・
いえいえ、ミツバチを伝えるためのジェスチャーを思い出してしまって・・・
ふと可笑しくなるのです。
入り口(私たちの部屋への入り口ではないけれど・・)
壁に掛っているのはおばちゃまの刺繍。
ミニマーケットのソーセージたち。ここから食材、決めます。
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