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小鳥の歌声

なんてシンプルな景色。真下には、ヒトが住んでいない、でこぼこした地球の姿が広がっていて、

私のすぐ下に、ぽわんと真っ白な雲がひとつ、浮かんでいる。

その雲の影が、そのまま、でこぼこの、ありのままの地球に映し出されている。ありのままに。

どうしてこれほどシンプルで、美しい景色に、涙が出そうになるのでしょう。

飛行機からの、果てしない眺め。


寂しい、と、一瞬想いました。

一人でいることが、ではなくて、日本を離れるということが。

こういう状況の中の、にっぽんを。


3.11から、すこしずつ私の心の中に生まれた大切な何かを、そのまま日本に置いてきてしまったような、

いくつも旅をしたけれど、今までに味わったことの無い寂しさを抱えた、旅立ちの日でした。


仕事(とはいえ、それは制作、研究etcあらゆる勉強…)の機会を母校から頂き、ただいまミラノにおります。

当然ながら一年前・・・どころか半年前?の私には想像もしていなかった事態なのです。予期せぬ事態。

この国は、ビザを取る事がむつかしいのです。

ヨーロッパの風の香りを感じると、一瞬にしてヨーロッパにいる友人達の笑顔を想い出しました。そうして、寂しさから解放されるのです。

全ては、人と人との繋がりへリンクしてしまう。みなさまも、きっとそうでしょうか。

(イタリアの方々、お会いできたらと思います。すこぉし遠い、Parisのみなさまも、お気軽に連絡くださいね、どうか・・・!そちらの風を感じたいのです。)



ミラノ・サローネという大イベント(建築、デザイン、アート)が行われており、こちらはお祭り騒ぎ、世界中の偉大なクリエイターが普通に歩いています。

私は、いちいち驚いたり、ドキドキしたりしているのですが 笑。 

私は昨年もサローネに来ていました。そしてこの時期、ちょうどアイスランドの噴火が起きたのですね。

飛行機は飛ばす、列車も満席で、ミラノから出られないかもしれない状況にいたのですが、何故かマイナーなローカル線(登山列車)に乗る事が出来て、スイスに入ったのでした。

今年は日本の大震災、成田から飛ばない航空会社もあり、サローネ関係者は、昨年に引き続いての飛行機の不安が少なからずあったことと察します。


予期せぬ事態、予期せぬ明日に、大切なヒト達が、私の記憶のなかの笑顔でいてくれますように、と強く願うのです。にっぽんの、ヨーロッパの、皆さま。



いつものように、朝の空は美しいです。



そして、小鳥たちが、とても早くからうたうので、目が覚めてしまうのです、おかげで時差ぼけもすっかり治りました。



巣があるのかしら。本当にたくさん、無邪気にうたっているのです。

希望の声。本当に愛らしい。



以前のパリの家では、猫と過ごしたけれど、こちらはどうも、大空を羽ばたく鳥たちと過ごすようね。




真東を向いた窓からの、日の出の風景。





そして、その頃の飛行機雲は、オレンジ色なのです。




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