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おたより。

秋の空から、お便りが来ました。

ほんの少し、冷たくなった風にのって。




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お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。



どうも、私は、寒いところにおります。

前もよく見えない、暗闇のようです。たったひとりきりのようですね。

長い間、ずっとそういう状態のようです。


なんとうなく、ここから抜け出せたら、と思うのですが、

不器用な性格ですから、どうしたらよいのか、分かりませんね。

先に進んでいるつもりでいるのですが、

方向が合っているのか、それがよく分からないのです。

深い森の中なのかしら。


いつからここにいるのか、記憶を辿ってみても、

ぼんやりしていて、はっきりイメージすることが出来ません。

気が付いたら、ここにいたという感じでしょうか。

それでも歩いて行かなければ、という気持ちだけが溢れてくるのです。

前がどちらの方向かも、分からないのですが。



星がほんの少し見えるので、

とりあえずは上を見てみようと思います。



本当に、美しいですよね。



そちらはお元気そうですが、どうかお身体ご自愛くださいね。



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様々な便りが、どこからかやってきます。

記憶に残るように、静かに、そっと届けてくれるみたい。



来年の春、温かくなる頃には、この手紙の送り主から、どのような便りが来るのかしら。

必ず、少しずつ、変化してゆくものですから。

時がたって、読み返すほどに、生き生きとしてくるみたい。



時の流れって不思議。



全ての便りは、何かのヒント。

ゆっくり、お返事を書こうかしら。

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